第39章

「俺の時間は貴重なんだ」

氷のように冷たい、温度のない言葉。

無関心な視線が、冷たい刃となって胸の奥に突き刺さる。

何年経っても、晴美は和也のあの見知らぬ人を見るような目を忘れられずにいた。目を閉じ、込み上げてくる煩わしい感情をどうにか押さえ込む。

時間はゆっくりと流れていく。

いつの間にか一時間が過ぎていた。

執事は眉をひそめた。

「どうしてまだお戻りにならないのでしょうか」

無意識に和也の秘書に電話をかけようとする。

「執事のおじいさま。彼は会社で残業しているみたいですから、私がスープを届けてきます」

「それなら、そうしていただきましょうか……」

保温ジャーにスープ...

ログインして続きを読む