第46章

「ずいぶんと偉くなったものだな」

和也は眉間に深い皺を刻み、氷のように冷たい視線を向けてきた。その瞳の奥には一欠片の温度もなく、ただ嫌悪と軽蔑だけが渦巻いている。

明らかに、盗み聞きしていたと思われている。

晴美は顔から血の気を引き、無意識に二歩後ずさった。

弁解しようとしたが、先ほどの自分の行動を思い出すと、唇が震えるだけで、まるで喉を締め付けられたように声が出なかった。

「いい加減にしろ」和也が一歩、また一歩と距離を詰めてくる。息が詰まるほどの威圧感。冷え切った瞳でねっとりと見下し、再び口を開いたとき、その声は毒を孕んでいた。「これ以上、小細工を弄しようなどと思うな。さもなけれ...

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