第48章

空港は多くの人が行き交っていた。

泣きじゃくる花子の姿は、すぐに周囲の耳目を集めた。

だが本人は気にする素振りも見せず、涙を拭って周囲を見渡す。

「今日だけは、何があってもあのクズ男に子を連れ去らせるわけにはいかないわ」

時間が経つにつれ、晴美たちも人数を増やし、空港の隅々まで目を光らせていた。

フライトの時間が刻一刻と迫る中、晴美たちの顔つきはますます険しくなっていく。

「あなたも来てたの? お友達のお迎え?」

聞き覚えのある声がした。

晴美が振り返ると、シャネル風のスーツにハイヒールを合わせ、完璧なメイクを施した葵が歩み寄ってくるところだった。

視線が交差すると、葵はさ...

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