第57章

病院の診察室。

医師はもどかしそうに顔をしかめた。

「何度も言っているでしょう。積極的に治療を受けなさい。これ以上引き延ばしたら、神様だって救えませんよ」

語尾には、隠しきれない徒労感が滲んでいた。

医師という職業柄、金銭的な理由で治療を諦める患者を彼は数え切れないほど見てきたのだ。

晴美の全身をジロリと見回し、深くため息をつく。

「この前来たときより、また痩せましたね。顔色も真っ青だ。ちゃんと三食食べて、しっかり休まないと……」

目の下に濃く落ちた隈を見れば、ろくに睡眠をとっていないことなど一目瞭然だった。

晴美は叱られる小学生のように、大人しく立って説教を聞いていた。

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