第63章

「他に要求は?」

和也は射抜くような視線を彼女に向け、再び口を開いた。

晴美は首を横に振り、静かな口調で答える。

「いいえ。ただ、あの子たちを安心させてあげたいだけです」

孤児院の子供たちは、親がいないせいで元々心が敏感だ。

おもちゃがあれば、その幼い心を少しでも慰めることができる。

もちろん、一番重要なのは施設の園長に少しの疑念も抱かせないことだ。

自分の考えに没頭していた晴美は、和也の視線がずっと自分に注がれていることに気づかなかった。

その深い瞳には、複雑な感情が渦巻いている。

彼は薄い唇をわずかに歪め、嘲るような笑みを浮かべた。

「随分と気が回るな」

言い捨てる...

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