第77章

大勢の目が注がれる中、賢治の放つ声は小さかったが、その顔に浮かぶ怒りは微塵も隠されていなかった。

傍らに立つ琴音は、何か言いたげに口ごもっている。

そこへ駆けつけた悠がちょうどこの場面に出くわし、眉をひそめて晴美を見た。

「もう一度電話で聞いてみたらどうだ?」

今日は重要な日だというのに、和也が姿を見せないのはあまりにも体裁が悪い。

何かを思い出したのか、悠はさらに眉間の皺を深くした。

「うちとそっちの提携は、一体いつになったら始まるんだ?少しは口利きしてくれないか」

今の和也が葵を溺愛し、晴美のことなど歯牙にもかけていないのは百も承知だが、それでもなんとか食い下がりたかったの...

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