第八十章

薄暗い照明の下。

一日中働き詰めで、晴美の顔色は微かに青白かった。かつては桜色だった唇も今はすっかり血の気を失い、紙のように真っ白で、痛ましいほど憔悴して見える。

和也が唇を微かに動かし、何か言いかけたその時、外から梨乃が入ってきた。

「やっぱりここで手伝いしてたのね。私も手伝う――」

声が唐突に途切れた。梨乃は和也の姿を認めると、一瞬きょとんとした。

だが次の瞬間、彼女はスマホを取り出し、迷わず動画撮影モードを起動した。

「見てよこれ、あの冷徹な社長様がお皿洗いのお手伝いだって。いいわねぇ、すっかり家庭的な旦那様って感じ」

親友の悪ふざけに、晴美は心臓が跳ね上がった。慌てて駆...

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