第84章

「あ……」

晴美は気まずそうに目を伏せた。本当に、すっかり忘れていたのだ。

仕方がない。仕事がとにかく忙しく、毎日目が回るような日々を送っているせいで、いくつかのことは完全に頭から抜け落ちていた。それでも、薬だけは時間通りに飲んでいたのだが。

晴美のその様子を見て、医師はすべてを察したように深くため息をついた。

「あなたね、もう少し自分の体を労わったらどうなんだい? 私は医者として、君みたいに言うことを聞かない患者が一番嫌いなんだよ」

「すみません、私が悪かったです。また後で来ますから。今は別の先生に用があって」

詳しく言い訳している暇はない。晴美は身を翻し、園長の主治医の元へ向...

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