第89章

真夜中。静寂が寝室を包み込んでいる。

同じベッドに横たわる二人だが、その間には埋めがたい距離が空いていた。

暗闇の中、和也は微かに眉をひそめ、沈んだ瞳でその華奢な背中を見つめていた。

大きめのパジャマに包まれたその姿は、いっそう細く、小さく見える。

――また痩せたな。

ゆっくりと手を伸ばし、晴美の肩に触れる。肉付きはなく、骨の感触ばかりが手に伝わってきた。

細すぎる。

そんな思いが脳裏をよぎった瞬間、和也がそれを深く掘り下げるよりも早く、不意にスマホの画面が明るく光った。

メッセージに返信し、再びスマホを置いたときには、先ほどの感傷などとうに忘却の彼方へと消え去っていた。

...

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