第97章

視線が交差した瞬間、二人は互いの瞳に驚きの色を認めた。

「どうして……」

同時に口を開き、顔を見合わせてふっと笑い合う。

「先に……」

再び口を開いたときも、見事に声が重なった。

晴美はなぜか、少しばかり気まずさを覚えた。

しばらくの沈黙のあと、孝紀が静けさを破った。

「どう? まだ彼とは連絡つかない?」

晴美は首を横に振る。

「新しく教えてもらった名刺の人、ずっと電話が繋がらなくて」

専門医へのコンタクトについては、晴美もすっかり頭を抱えていた。

半月前、最初に孝紀から紹介された医師とはずっと連絡を取り合っていたものの、相手が多忙を極めており、一向に手術のスケジュール...

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