第20話

私はトレイを固く握りしめた。熱いコーヒーが肌を焼き、鋭い痛みが走った。

「出て行け。」伝一は続けた。「すぐに。」

喉は言葉で焼けた。だが私は何も言わなかった。ただ静かに背を向け、残されたわずかな誇りを引きずって歩いた。

だがその背後で、大輝の声が刃のように突き刺さった。

「二度とこの建物に戻るな。」

廊下は揺れたが、私は歩き続けた。一歩ごとに重く。休憩室に着き、二つの飲み物をシンクに流した。

香草と深く焙じた香りが、残酷な嘲笑のように漂った。火傷した手は脈打ち、冷水に当て、静かに、正確に。バッグから薬草の軟膏を取り出し、ためらわず塗った。

かつてこれは子どもたちのために持ち歩いて...

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