第105章

森原覚のその異常な振る舞いに、私は思わず息を呑んだ。

必死に彼を押し返し、さっき小村川人が言っていた言葉をそのまま盾にする。

『森原覚、離して。こんなことして、週刊誌の連中に見られたら終わりよ』

『空野朱音のときみたいな記事、また一面に載りたいの?』

これで効くはずだと思った。

彼みたいにイメージを命みたいに守る人気俳優なら、パパラッチに色恋沙汰を撮られるのは何より怖いはずだから。

けれど今回は、私の脅しがまるで通じなかった。

森原覚は車のセンターコンソールを越えて身を乗り出し、体重のほとんどを私に預けるみたいに覆いかぶさってくる。両手で私の頬を挟み、力任せに唇を奪った。

酒...

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