第108章

空野朱音は足早に森原覚の前まで来ると、不安げに顔を歪めた。

「覚君、森原お婆さんは大丈夫? 私、お母さんのお見舞いで病院に来て……森原お婆さんが急変して、今、救命処置中だって聞いたの。心配で、すぐ駆けつけた」

その必死さは、まるで自分が未来の森原奥様であるかのようだった。

森原覚は荒れた呼吸を落ち着かせる。

「……今、処置中だ。心配してくれて、ありがとう」

朱音は間髪入れずに言う。

「覚君、何言ってるの。森原お婆さんとは親しくしてるし、心配するのは当然でしょ? それに、私……覚君がつらそうなの、見ていられない」

「大丈夫。私がここにいる。覚君のそばにいるから」

そう言いながら...

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