第117章

 周防明広の言い分は、一見すると私のことを思ってくれているように聞こえる。けれど、私はもう子どもじゃない。善悪くらい自分で判断できる。

 要するに彼は、別の角度から森原覚を貶めているだけだ。

 男同士で張り合うなら、正々堂々やればいい。人を落として自分を上げるなんて、みっともないにもほどがある。

 森原覚は確かに気性が荒い。だけど少なくとも、私の前で周防明広の悪口を言ったことは一度もない。

 比べれば、どちらが上かなんて明白だ。

 私は表情を引き締め、周防明広に問いかけた。

『周防明広。今日、うちが荒らされたのが森原覚の仕業だって証拠、あるの?』

 周防明広は、私がここまで直球...

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