第12章

 私が驚いて顔を上げると、なんと空野朱音が派手なオープンカーを乗りつけて、旧邸の庭へ入ってきた。

 その車から空野朱音がドアを開けて降りるのを見た瞬間、森原お婆さんはそばの白原さんを急かした。

「さあ、部屋へ戻しておくれ」

「今日はまだ具合がよくないって言っておきな。お客様に会える状態じゃないってね」

 そう言い終えるなり、お婆さんはひどく慌ただしく、白原さんに付き添われて部屋へ戻っていった。

 その背中を見送りながら、私はなんとなく察してしまう。

 どうやら、お婆さんは空野朱音のことをあまり好いていないらしい。いや、好いていないどころか、そもそも会いたくもないのだ。

 考えて...

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