第128章

宮沢詩音視点:

ここ数日、うちのデザイン会社は息つく暇もないほど忙しい。

森原お婆さんの後押しがあって、取引を持ちかけてくる企業が途切れない。小村は文字通り走り回っていて、私が出社するなり、焦った顔でオフィスに飛び込んできた。

『詩音さん、やっと来た! ほらほら、これ。サインが必要な資料が何本かあるの』

『確認が終わったら、先方から残金が振り込まれるんだよ? 分配のこと考えたら、もうやる気しか出ない。早く早く!』

小村とは距離が近いし、仕事ぶりもきっちりしている。彼女がチェックを通したものなら大きな問題はない。私も一通り目を通してから、書類に自分の名前をサインした。

署名を終えた...

ログインして続きを読む