第133章

森原覚視点:

 飲みすぎた。宮沢詩音の会社の連中に、見事に潰された。

 別に酒に溺れるタイプじゃない。けれど、あいつらは煽り方がうまい。

「お義兄さん!」「お義兄さん、もう一杯!」

 その声に乗せられて、気づけば杯を重ねていた。

 悪い癖はたいてい断てる。

 なのに――「お義兄さん」と呼ばれると、どうにも自制が利かない。

 救いだったのは、詩音がずっと隣にいてくれたことだ。

 酔っているはずなのに、不思議なくらい不安がない。詩音がそばにいるだけで、胸の奥がどっしり落ち着くなんて……今まで知らなかった。

 実家に戻ると、白原さんが「お支えします」と腕を伸ばしてきた。

 ……...

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