第135章

宮沢詩音は空野お婆さんをまっすぐ見据え、真っ向から言い返した。

『私、自分にそんな大した手腕があるとは思ってません。むしろ――空野朱音さんのほうこそ、手段がないんじゃないですか? だから森原家の若奥様になれなかった』

その一言で、座は一気に凍りついた。

茶室の外に立っていた俺でさえ、思わず胸の中で拍手したくなる。

空野お婆さんは、詩音が「不正な手で俺をたぶらかして若奥様になった」と見下してきた。

それに対して詩音は、空野朱音のほうが「家柄が良くても若奥様になれない程度」だと、皮肉で切り返したのだ。

小さな茶室の空気が、ぴしりと固まる。

戸口にいるだけでも、静まり返った緊張が肌に...

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