第149章

 私の問いかけに、葉山瑞は一瞬も迷わず答えた。

 「政略結婚です」

 「つまり……空野家は、空野朱音を佐藤若に嫁がせるつもりだと?」

 思わず、笑いが漏れそうになった。

 空野家の連中は、本当に面の皮が厚い。家の発展だの商売だのを理由に、娘を駒みたいに差し出しては縁談をまとめようとする。何度目だ。

 相手がよその家の息子なら、まだ口を挟む気も起きない。

 だが、佐藤副会長の息子――佐藤若となれば話は別だ。

 昼間は品行方正な御曹司を装い、夜になれば女のベッドを渡り歩く。俺の耳に入っているだけでも、あいつは相当ひどい。

 一晩で七人と寝た、なんて武勇伝を自慢げに語ったこともある...

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