第152章

 そう思った、そのときだった。さっき周防明広が入っていった部屋の奥から、カサ……カサ……と、何かを擦るような音が聞こえてきた。

 私は足早に数歩進み、壁際に立てかけてあった金属バットのそばへ寄る。反射的にそれを掴み上げた瞬間、ガチャリとドアが開き、周防明広が姿を現した。

 ――まずい。

 私は慌てて、手にしたバットを背中へ隠す。

 周防明広は大きめの箱を引きずりながら出てきた。

 私の挙動に気づいたはずなのに、彼は驚きもしない。むしろ当然だと言わんばかりに、淡々と訊いてくる。

『何してるんだ?』

 声が震えるのを抑えきれないまま、私は笑ってみせた。

『別に……何も。ちょっと見...

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