第156章

周防明広が一歩、また一歩と迫ってくるのを見て、ソファに身を縮めていた私は、否応なく視線を小さなテーブルへ落とした。そこにあるのは――血のついた短剣。

助かりたいなら、周防明広を「止める」しかない。

あれが、私の反撃の切り札だ。

そう腹を括り、私は言葉で時間を稼ぎながら、体をじりじりとソファの端へずらしていく。

『周防明広、私たち同級生でしょ。そんなことしないで。ちゃんと、私を尊重してよ』

『落ち着いて、話そう? ねえ、覚えてる? 学校に七海って子がいたでしょ。あの子が言ってたの。「周防明広って、かっこよくて成績も良くて……すごく憧れる」って……』

『周防明広……お願い、衝動的にな...

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