第183章

 空野正人の言葉を聞いたお母さんは、思わず呆れて笑ってしまった。

 ――ずいぶん大きな絵を描くじゃない。

 空野家を立て直したいのは本音だろう。けれど「お母さんに償いたい」だなんて、そんなのは大嘘だ。

 お母さんは声を冷やし、空野正人に言い放つ。

「空野正人。いい加減、その厚かましさは引っ込めて」

「私と詩音は、これまでだって二人で耐えてきた。これから先は、私たちの目の前にちゃんとある。あなたの償いなんて要らない。詩音だって、要らない」

「まだ少しでも良心が残ってるなら……これ以上、私たち母娘を煩わせないで」

「詩音は治療中よ。あなたに会いたくないはず。今すぐ帰って」

 お母...

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