第190章

「……それが、どうした?」

 俺は振り返り、決意を宿した目で空野正人を見据えた。

 空野正人の身体が、びくりと縮こまる。

「覚……頼む。俺が詩音の実の父親だってことを、どうか考えてくれ。空野家を助けてくれないか」

「空野家は俺の代でずっと上手く回してきたんだ。俺が『空野家を潰した男』なんて汚名を背負うわけにはいかない」

「俺は詩音の実の父親だ。これまで父親らしいことは何もしてやれなかった……でも、詩音が俺の娘だと知ったとき、俺は迷わずあの小さな平屋に駆けつけて、命がけで助けた。覚……俺は詩音を愛してる……」

「妻はもう刑務所に入った。娘の空野朱音だって、相応の罰を受けた。だから…...

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