第26章

 記者に撮られる――そう気づいた瞬間、俺は反射的に手を上げて顔を隠そうとした。

 だが、その前に空野朱音がすっと手を伸ばし、俺の頬を包み込むように押さえる。そのまま、ぐいと身を倒されて、俺は彼女の下へ押し敷かれた。

 俺はてっきり、空野朱音がそうしたのは俺を庇うためだと思った。だから彼女に覆いかぶさられても、突き飛ばそうとはしなかった。

 ところが――そのときだ。

 葉山瑞に助け出された宮沢詩音が、同僚に肩を貸されながら、この車の横を通り過ぎた。

 よりにもよって、彼女が車へ目を向けたその瞬間。空野朱音の体の陰から、俺の顔がちょうど覗いてしまった。

 窓ガラス越しに、視線がぶつか...

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