第37章

 空野家のパーティーへ向かう車中で、森原お婆さまが空野家の事情をかいつまんで教えてくれた。

 空野家は数年前まではそれなりに勢いがあった。けれどこの2年は景気のあおりもあって、さらに空野朱音の父親の「外に女を囲っている」件が週刊誌にすっぱ抜かれ、株価が落ちた。結果として、かなりの損失を出したらしい。

 おまけに、一昨々月の社員の給料すら払えなかったとかで、空野お婆さまが自ら森原お婆さまのところへ頭を下げ、いくらか借りてようやく首の皮一枚つながった――そんな話だった。

 そんな家が、このダイヤのペンダントを「買える」?

 空野朱音の大口も、ここまで来ると見ているこっちが恥ずかしい。風が...

ログインして続きを読む