第39章

 空野おばさんの問いかけは、想定内だった。

 私は少し考えてから、当たり障りのないところで返す。

「……そこまで近い親戚ってわけでもなくて」

 それ以上は話したくない、という含みを持たせたつもりだった。空野おばさんも察したのだろう。場数を踏んだ貴婦人らしく、私の言葉の重さをさっと量る。

 もし本当に「大して近くない親戚」なら、森原お婆さんがあんな高価なダイヤのペンダントを、わざわざ私の胸元に留めるはずがない。

 空野おばさんはそれ以上踏み込まず、今度は私の前で空野朱音をかばい始めた。

「お嬢さん、さっきのことは、ただの行き違いよ。どうか朱音のことを怒らないでちょうだい」

「朱音...

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