第43章

『ママ、また私のこと怒るんだもん……』

 むっとした。

 だけど母は、甘やかすどころか今にも本気で怒鳴りつけそうな勢いだった。

『あんたね。宮沢詩音のこと、森原家のただの家政婦だって、どうして決めつけたの?』

『家政婦なら、森原のおばあさまがあんな高価なドレスをあつらえるわけないでしょ。それに、あのダイヤのペンダントよ。あれだって相当な値段のはず』

『森原家の大事な親戚、とか……そういう可能性を考えなかったわけ?』

『空野朱音。バカだって言われて悔しいなら、少しは頭を使いなさいよ』

『今日は向こうがあんたを一発ぶん殴っただけで済んだ。でも、もし逆だったら? あんたが詩音を殴って...

ログインして続きを読む