第50章

 周防明広が来たのを見た瞬間、私は思わず眉をひそめた。けれど、お母さんは見るからに嬉しそうに目を細めた。

 ほんの2日前、周防明広は私をかばって葦原弘岡と揉め、殴り合いにまでなったばかりだ。顔にはまだ、うっすら傷が残っている。

「周防明広……どうしてここに?」

 私がそう訊くと、彼は頭をがしがしとかいた。

「仕事が終わってから施設にお母さんの様子を見に行ったんだ。そしたら、お母さんが、叔母さんが足を折って病院に運ばれたって教えてくれてさ」

 それから、少し照れたように笑う。

「ひどい怪我だったらって心配だったし、お前ひとりじゃ大変かもしれないと思って。急いで来た」

 お母さんの...

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