第78章

 私の電話を受けた葉山瑞は、少し意外だったのかもしれない。ここ3年、俺が宮沢詩音がどこにいるかなんて、気にしたことは一度もなかったのだから。

 葉山瑞は一瞬言葉に詰まり、それから慎重に訊いてきた。

『森原様、いま宮沢さんの所在を確認なさるのは……何かご用件が?』

 その言い方が、妙に癇に障った。

 俺が宮沢詩音の居場所を知りたいのは、そんなに大罪なのか。

『あいつは俺の妻だ。どこにいるか知りたいのが違法か?』

『葉山瑞、お前も随分と偉くなったな。俺が仕事を頼むたびに、理由の確認が必要か? そういうことか?』

 俺の機嫌の悪さを察したのだろう。葉山瑞は電話口で慌てて頭を下げるよう...

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