第83章

「必要なら、あとで葉山瑞に買わせて届けさせる」

 そう言い捨てると、俺は宮沢詩音が何か言う間も与えず、さっさと起き上がって服を身につけ、階下へ降りた。

 白原さんは俺の姿を見つけるなり、使用人に合図して朝食の支度を始めさせた。今日はお婆さんもやけに早起きで、二階から降りてきた俺を見るなり、珍しくにこりと笑ってみせる。

 ……え、笑うの?

 お婆さんの前じゃ、俺は昔から可愛げのない孫扱いだ。そんな俺に笑顔? 今日は西から日が昇ったのか。

 疑問だらけのまま席に着くと、ほどなくして宮沢詩音も降りてきた。

 昨夜があまりにも激しすぎたせいで、詩音の肌にはキスマークがいくつも残っている。...

ログインして続きを読む