第88章

 部長は焦りきっていた。

 私も同じだ。

 小村が言う。『なら、もう一回探しに行けばいいじゃない。何が何でも見つけてよ。今日のプレゼン、誰が代わりにやるの?』

 部長は歯噛みして返した。『見つかるなら、とっくに見つけてますよ。宮沢様、小村様……もう、矢がつがえられて引き返せない段階です。最悪、代役で発表する覚悟を――』

 小村が呆れたように言い返す。『冗談でしょ? 代役って……あの人が作った資料、誰もバックアップ持ってないのよ。どうやって代わりに話すの?』

『今日は正式な会議なの。人が見つからなかったら、終わりよ』

 小村は焦って、両手をこすり合わせる。

 私だって、打つ手がな...

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