第89章

デザイン部の部長の話を聞いて、私は俯き、彼の身なりに目をやった。

案の定。朝、会議に出るためにきっちり整えていたはずの服は、今やくしゃくしゃで、まるで丸めた紙みたいになっている。彼は悔しそうに襟元を引っ張った。

『誰にドンゴロスをかぶせられたか、見えた?』

小村が焦った声で問い詰める。

デザイン部の部長は首を横に振った。

『見えなかった。かぶせられた直後に地面へ押さえつけられて、めちゃくちゃ殴られたんだ。そのあと縄で手足を縛られて、屋上に放り投げられた』

『殴られるのは別に怖くない。ただ、今日の会議に間に合わないのが怖かった。みんなが見つけてくれたからよかったけど、じゃなきゃ今ご...

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