第97章

酒の勢いもあったのだろう。葉山瑞は俺を指さして、酔いに濁った声で言った。

『そうだよ。間違ってる。森原様、あんたは本当に間違ってる』

その夜、俺は葉山瑞と嫌になるほど飲んだ。葉山瑞はうちのソファに突っ伏して眠り、俺は――宮沢詩音のいない寝室へ戻った。

布団に残る、宮沢詩音だけの淡い匂い。

それを吸い込んだ瞬間、胸の奥に溜めていた想いが、限界まで膨れ上がった。

翌日、俺には撮影が数本入っていた。

全部を無理やり片づけ、葉山瑞から宮沢詩音の今いる住所を聞き出す。

車を走らせて辿り着いたのは、中堅クラスのマンションだった。

――そうだ。ここは、詩音と契約を交わす前に、俺が手配して彼...

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