第98章

 宮沢詩音が必死に抵抗するのを前にしても、俺は引かなかった。手首を取って、そのままアパートの小さなソファへ押し倒す。

 乱暴なくらいに唇を奪い、だらしなくはだけたパジャマを引き裂くように開いた。

 ――種馬だって罵ったのは、お前だろ。

 だったら、見せてやる。

 俺が踏み込むたび、詩音の身にまとっていたものはあっという間に剥がれ落ちていった。

 ベルトに指をかけ、今まさに――というところで。

 足先が、ローテーブルの上に置かれていた黒いベルベットの小箱に、ふと触れた。

 コトン、と鈍い音。

 落ちた音ひとつで、熱に濁っていた頭が一瞬で冷える。

 視線を落とすと、床に転がって...

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