第017話ストレンジャー

「それも当然だな」とエリックは独りごちた。財布が盗まれるのは、たいてい持ち主の不注意が原因なのだという現実を思えば、むしろ自然なことだ。

しばし考えかけたところで、目の前の差し迫った問題が思考を断ち切った。エリックは店内の客たちへ向き直り、よく通る声で言った。

「どなたか、会計のために四千ドルを貸していただけませんか。明日、十倍にして必ずお返しします。借用書を書いて、拇印も押します。保証として」

「十倍? 四万ドルってことか!」

その数字が店内に響き渡ると、ざわめきが起きた。こんなに簡単に儲かる話なら、闇金の誘いよりよほど魅力的だ。誰もが一瞬、心を動かされずにはいられなかった。

だが...

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