第029話バタバタ気分?

第二十九章 胸の高鳴り?

シャロンに抱きしめられた瞬間、エリックの身体はびくりと強張った。緊張が一気に押し寄せたせいか、筋肉がこわばってしまったのだ。

正直なところ、エリックはまだ童貞だった。元恋人のウェンディと二年間付き合ってはいたものの、女の子の肌に触れるような親密さとは無縁のまま。キスひとつしたことがない――相手がウェンディであってさえ、だ。ましてそれ以上など、言うまでもない。

その瞬間、シャロンも異変に気づいた。

「あっ!」

恥ずかしさに頬を真っ赤に染め、シャロンは小さく悲鳴を上げると、慌ててエリックの身体から腕をほどいた。顔はみるみる朱に染まり、驚いたように息を呑む。そして...

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