第036話キス

「承知しました、旦那さま。私が責任をもって手配いたします」レオはそう請け合い、うなずくと顔に温かな笑みが広がった。

すぐさま近くの給仕に向き直り、命じる。「スーザンを呼べ。今すぐだ!」

給仕はレオの声に宿る切迫を悟り、返事をすると同時に駆け出した。許可のうなずきを受け取った途端、ためらいもなく姿を消す。

脇で一部始終を見ていたシャロンは、わけがわからなかった。エリックが一枚のカードを出した、それだけなのに、店主の態度が急にへりくだったのだ。エリックが持つ、ダイヤをちりばめた会員用の特別なカードを知らないシャロンにとって、それはせいぜい飾り立てた銀行のカードにしか見えない。もしその意味を...

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