第052話私の車はあなたより高い

このポンパドールの男がエリックに喧嘩を売ろうものなら、ためらいなくエリックの手にしたフォークの鋭い先端を味わうことになるのは間違いなかった。たとえフルカンパニーの社長の息子という身分であろうと、エリックの前で無茶が通用するはずがない。

「お、お前……!」

エリックの決意を前にしては、ポンパドール頭など何の盾にもならない。男はエリックの手のフォークを目にした瞬間、表情を一変させた。ごくりと唾をのみ込み、どこか落ち着かない様子を見せる。

強がってはいるが、明らかに動揺していた。恵まれた環境が生んだ傲慢さで人をいじめるときには無敵の気分になれるくせに、いざ殴り合いとなると、こいつはからきし駄...

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