第057話手伝い「ティナは援助の申し出に応じた」

ティナはバッグに手を突っ込み、もうひと束の札を取り出して差し出した。エリックへ向けて、まっすぐ腕を伸ばす。

「二万ドルよ。あなたにとっても、十分大きな額でしょう」

「……前にも言ったはずだ。興味はない」エリックは冷たく言い放った。

そう言い終えると、氷のような声色のまま踵を返し、学校へ向かって大股で歩き出す。

「あなた……」ティナはその背中を見送るしかなかった。悔しさに足を踏み鳴らしながら、「あなた……」と、エリックがそのまま去っていくのをただ見ていた。

ほかの男子がこの光景を見れば、間違いなく羨望の眼差しを向けただろう。

彼女は必死に距離を詰めようとしてきたのに、結果はどうだ。エ...

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