第080話卑劣な運命「卑劣な出会い

たったいまハナと呼ばれていた、厚化粧の女が吐き捨てた言葉が、きつい残響となってその場の空気にぶら下がったままだった。それを耳にした瞬間、エリックの表情から血の気がすっと引き、冷たさが増す。

「……俺たちは、代償を払う余裕がない、だと?」彼は鼻で笑い、毒を含んだ声で言った。「じゃあ聞くが……そのドレスはいくらだ?」

エリックの視線はハナに据えられたまま、嘲るように細められている。店内のほかの商品には値札が付いているのに、目立つ場所に飾られたレースのオフショルダーのそのドレスだけには、それが見当たらなかった。

「値段が知りたいの?」ハナの声には傲慢さがねっとりと滲んでいた。「腰を抜かすかもし...

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