第081話真のアイデンティティ

そのとき、何の前触れもなく、扉がまた押し開けられた。

黒い背広に身を包んだ中年の男が二人、雪崩れ込むように部屋へ入ってくる。ハナは一目で彼らを見て、パワー・プラザの幹部だと気づいた。

「フィリップス様!」

「フィリップス様!」

二人は声をそろえて叫ぶと、ハナなど眼中にないとばかりにまっすぐエリックのもとへ歩み寄り、同じように頭を下げ、敬意を示した。その光景に、ハナと四人の女性販売員は呆然と立ち尽くした。まるで雷に打たれたみたいだった。

いったい、何が起きているの――?

混乱に思考が追いつかないまま、扉はさらにもう一度、勢いよく開いた。

濃紺のスーツを着た男が、六、七人ほどのスーツ...

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