第2章
大輝の指が、スロットルを握る私の手に重なり、ぐっと力を込めた。エンジンの轟音が駐車場に響き渡り、私の奥底にある枷をすべて揺さぶり外していくようだった。
「ゆっくり回せ」低く掠れた、熱を帯びた声が耳元を打つ。空いた片腕が私の腰にきつく巻き付き、背中を彼の胸へと引き寄せた。
「引かれる力に逆らうな。そのまま流れに乗れ」
乾いた喉を鳴らして唾を呑み込む。アクセルをふかすと、バイクがぐんと前へ押し出された。パイロンの間を縫うようにゆっくりと進んでいく。だが、その動きに合わせて、彼の腰が私の尻にぐりぐりと押し付けられてきた。
下腹部の奥で摩擦の火花が散り、じっとりとした熱い雫がショーツを濡らしていく。デニムの縫い目に押し当てられた秘部がドクドクと脈打ち、さらなる刺激を求めて疼きだした。
「その調子だ」首筋に熱い吐息を吹きかけながら、大輝が囁く。キスとも呼べないほどかすかに、彼の唇が私の肌をなぞった。
「コツを掴んできたな。バイクがどう応えてるか、わかるだろ?」
乳首がじんじんと痛む。息をするたび、硬く尖った先端がレザージャケットの裏地に擦れ合っていた。
彼を突き飛ばして、ふざけないでと怒鳴りつけてやりたかった。なのに、私の体は裏腹に反り返り、彼の下半身の硬い膨らみへと自ら擦り寄ってしまっていた。
直線コースに入り、私はさらにアクセルを回した。風が激しく吹き抜けていく中、大輝の手がいやらしく下へと滑り出し、手のひらが私の腹部にぴったりと這う。ジャケットの裾から滑り込んだ指先が、素肌を直接撫で上げた。
「いい子だ。そのままキープしろ」
「大輝、手が……」声が上ずった。頬にカッと熱が集まるのがわかる。
「手がどうしたって?」低く、いやらしい笑い声が響く。彼の指先が私の腰骨をなぞり、じりじりとベルトの位置へと下がっていく。
「バランスを取るのを手伝ってやってるだけだ。直哉だって気にしねぇよ。あいつ、『何でもいいから乗れるようにしてやってくれ』って言ってたからな」
股ぐらに挟んだバイクの振動が激しさを増し、私の体の奥底を直接震わせる。
彼の硬いペニスがビクッと跳ね、私の尻の割れ目を下からこすり上げてきた。
「あっ……」思わず息を呑み、太ももでタンクをきつく挟み込む。蜜があふれ出し、私の秘部は空っぽのままきゅんきゅんと収縮を繰り返した。
ああ、どうしてこんなに気持ちいいの? 直哉相手にこんなに濡れたことなんて一度もない。新婚旅行の夜でさえ、こんな風にはならなかったのに。
「……触らないで」口ではそう言いながらも、私は逃げ出そうとしなかった。それどころか、その硬い感触を求めて自分から一度腰を押し付けてしまう。激しい羞恥に焼かれそうになるが、疼きのほうがはるかに勝っていた。
大輝は私の言葉など意に介さず、指先でデニムのボタンを弾き飛ばした。
「しーっ。前見て運転に集中しろよ」
ジリッとジッパーが下ろされる。開いた隙間から冷たい風が素肌に触れたかと思うと、彼の手がショーツの上から潜り込んできた。下着はすでにぐっしょりと濡れ、肌に張り付いている。彼の中指が布越しに私の縦列を、ゆっくりと、じっくりと擦り上げた。
「んあっ……」思わずあられもない声が漏れる。ステップに乗せた足が滑り、バイクの車体がぐらりと揺れた。
「危ねえな」大輝が自分の太ももで車体を支えて立て直す。だが、その手つきが止まることはなかった。
絶妙な力加減で、彼が私の豆を円を描くように捏ね回す。エンジンの振動がその快感を何倍にも増幅させ、彼がそこをいじり倒すのと同時に、車体の震えが外側から私を波状に責め立ててきた。
「ぐっしょりじゃねえか、結衣。直哉じゃここまでしてやれないんだろ?」
私は強く唇を噛みしめた。脳裏に直哉の顔がよぎる――あの薄笑い、私が服を脱いでいる間もスマホをいじり続けていたあの態度。
彼はもう私の顔すらまともに見ようとせず、セックスはいつも義務的であっけなく、自分だけ果てて終わってしまう。けれど、大輝は? 彼は私のすべてを包み込み、圧倒的な熱量で迫ってくる。
「答えろよ」ショーツの端をくぐり抜けた指先が、直接私の濡れそぼった秘孔へと潜り込んでくる。第一関節、そして第二関節までがズブりと沈み込んだ。
私の肉壺が、彼の指をきゅうっときつく締め付ける。
漏れそうになる嬌声をエンジンの音でかき消そうと、私はさらにアクセルを煽った。
「ちが……っ、そんなんじゃ……」
「嘘つけ」大輝が力任せに一度、奥まで指を突き入れた。その強烈な刺激に、私はたまらず大きな喘ぎ声を上げてしまう。
彼の親指が再び私の突起を捉え、ぐりぐりと円を描くようにこすり上げる。
「直哉は優しすぎるんだよ。お前が欲しがってるのは、こういう荒っぽくて生々しい快感だろ」
背後から押し当てられた彼のペニスが、まるで服の上から私を犯すかのように、さらに激しく腰を打ち付けてくる。
絶頂の波が急速に巻き上がり、呼吸が荒く乱れていく。指の関節が白くなるほどハンドルを握りしめるが、太ももの震えは止まらない。
駐車場には誰もいないが、いつ誰が入ってきてもおかしくない。その背徳感が、快感をさらに鋭く研ぎ澄ませていく。
「大輝、お願い……っ。直哉にバレたら……」懇願する口とは裏腹に、私の腰は彼の手の動きに合わせてビクンと跳ね、またしても自分を裏切ってしまった。
「バレりゃいいだろ」彼が膣内で指をくいっと曲げ、奥の敏感な場所を正確に擦り上げた。
「俺のほうが上だってことくらい、あいつもわかってるさ。昔からずっとそうだったんだからな」
空いた手が私のジャケットのジッパーを一気に引き下げ、ブラジャーをあらわにする。下着ごと乱暴に押し上げられると、彼の手のひらが私の乳房を鷲掴みにした。指先で硬い乳首をつまみ上げ、いじめるようにひねり上げる。
痛みと熱が入り混じり、私を絶頂の淵へと追いやる。濡れそぼった秘部が彼の指に絡みつくように激しく収縮し、卑猥な水音はエンジンの轟音にかき消されていく。
「ああっ、もう……っ」
「俺の指でイけよ、結衣」
激しく出し入れされる指、車体の振動、そして耳元で囁かれる淫らな言葉――すべてが許容量を超えていた。
頭の中が真っ白に弾け飛ぶ。バイクが大きく蛇行しかけたが、大輝が力強く車体を立て直し、私がガクガクと痙攣する間も、ゆっくりと絶え間なく指を動かし続けていた。
彼は指を引き抜くと、手早く私のジッパーを元通りに引き上げた。惰性で進んだバイクが、駐車場の隅で静かに停車する。
エンジンを切るやいなや、大輝はシートの上で私の体を強引に反転させ、自分と正面から向き合わせた。私がタンクを跨ぐ形になり、その両脚を彼の太ももが外側からがっちりと挟み込む。
飢えた獣のような暗い瞳が、私を射抜くように見つめていた。
彼の片手は再び私のデニムの中に潜り込み、奥深くまで突き入れた指が肉壁をえぐるようにうごめいている。もう片方の手は私の乳房を激しく揉みしだき、親指で乳首を擦り切れるほど弾き続けた。
「俺を見ろ」大輝が低く唸る。
「こんなにきつく締め付けてきやがって。本当は俺のちんぽをぶち込んでほしいんだろ? このバイクの上で、泣き叫ぶまで激しく犯してほしいって思ってるんだろ」
じわっと涙が込み上げてきた。こんなの、すべてに対する裏切りだ。直哉のことも、私たちのこれまでの生活も。
理性は『やめて』と叫んでいるのに、体は熱く燃え上がり、彼の手に向かって本能的に腰を擦り付けてしまう。
「お願い……ダメよ。直哉が……っ」
「直哉なんか知るか」大輝が身を乗り出し、私の唇を乱暴に塞いだ。貪るような、荒々しいキス。無理やりねじ込まれた彼の舌からは、コーヒーのほろ苦さと、背徳の味がした。
一瞬体が強張ったものの、すぐに甘く溶け出し、私も狂ったようにキスを返していた。互いの舌が激しく絡み合い、私の爪が彼の肩口に深く食い込む。大輝の指がさらに激しく出し入れされ、手のひらの付け根が私の豆をぐりぐりと押し潰すように擦るたび、強烈な快感が脳天を突き抜けた。
息が続かなくなり、私は顔を背けて激しく喘いだ。彼の手を振りほどき、その胸をドンと押し返す。
「やめて! これ以上は無理……っ」
だが、大輝はびくともしなかった。指の動きはゆっくりになったものの、決して止まることはなく、いやらしくねっとりと中を掻き回している。
私の唇のすぐそばで、彼の熱い吐息が絡みつく。
「無理? お前の体は喜んでるじゃねえか。さっきのキスは何だ? 俺を食い殺す勢いだったぞ、結衣。認めちまえよ。お前はこれが好きなんだ。俺にこのキツい穴をめちゃくちゃにされるのが、たまらなく好きなんだろ」
張り裂けそうな葛藤が、胃の腑をぎゅっとねじり上げる。
「……最低」絞り出すようにそう呟いた次の瞬間。私は自ら飛びつくように、彼の唇を激しく塞いでいた。もう、どうにでもなれという絶望的な思いで。両手で彼のシャツをきつく握りしめ、さらに体をすり寄せる。
「直哉には言わないで……絶対、約束して」
