第3章

 大輝の瞳が暗く濁り、口元にニヤリとした笑みが浮かぶ。彼が指を一度、ぐっと深く曲げると、私は思わず喘ぎ声を漏らした。

「約束する。これは俺たちだけの秘密だ」

 空いている方の手が私の顎を掴み、親指が下唇をなぞる。乱暴で、独占欲に満ちた手つき。

「さあ、跨れ、結衣。本気だってことを証明してみせろ」

 安堵感と、野生的な衝動が入り混じって押し寄せてきた。もう後戻りはできない。どうにでもなれ! 私はこれを望んでいたのだ。

 直哉の無関心、完全に冷え切ったセックスレスの夫婦生活……それに比べて、これは自分が生きていると実感できた。胸が早鐘のように鳴り、緊張と渇望が入り混じって下腹部の奥をきゅんと締め付ける。

 大輝のような、力強くて危険な匂いのする男と交わるのは初めてだった。痛かったらどうしよう? でも、さっき彼の指で押し広げられた感覚……もっと、もっと欲しい。

 私は震えながら頷いた。彼のベルトに手を伸ばし、震える指でバックルを外す。

 ジーンズを押し下げると、彼のペニスが勢いよく弾み出た――太く、血管が浮き出し、赤く充血した先端からは先走りが漏れている。直哉のより大きい。比べ物にならないほど太い。

 息を呑んだ。一瞬パニックになりかけたが、股間の奥ではさらに熱いものが溜まっていく。手のひらを滑らせてその熱を撫でると、鉄のように硬いそれはビクッと跳ねた。

「嘘……」

 半分怯えながら、半分興奮して呟く。

「すごく、大きい……」

 彼は低く笑い、私の手首を掴んでさらに速く扱くように誘導した。先走りの液で私の手が濡れる。

「お前なら全部くわえ込めるさ。力抜けよ」

 私たちの下ではバイクのエンジンがアイドリング音を立て、シート越しの振動が私の中心を焦らしてくる。

 私は身をよじり、それに擦り付けた。緊張はすっかり欲情へと変わっていた。

 もう全部どうでもいい。誰かに見られるリスクだってあるのに、そんなことはもう気にならなかった。私の身体は全力でイエスと叫んでいた。

 大輝が私のジーンズを乱暴にこじ開け、ジッパーがジリッと音を立てた。

「脱げ。今すぐだ」

 タンクの上で不器用に蹴り落とそうとすると、彼の手が手伝ってくれ、ショーツと一緒に太ももの下まで引き剥がした。

 むき出しになった、濡れて腫れ上がった秘所に冷たい空気が触れる。クリトリスがドクドクと脈打ち、早くしてと哀願していた。

 彼は私の腰を持ち上げ、位置を合わせた。

 彼のペニスが入り口を小突いて、亀頭がひだを押し開く。私の愛液で濡れていたため、最初はすんなりと滑り込んだ。私はゆっくりと、少しずつ腰を沈めていく。

 引き伸ばされるような焼け付く感覚――今まで味わったことがないほど大きく、私の中を満たしていく。直哉はいつもあっさりしていて柔らかかったが、これは圧倒的で、表面の筋の1つ1つが私の内壁を擦っていくのが分かる。

「ああ、んっ……」

 私は小さく泣き声を上げ、途中で動きを止めた。身体が震える。少し痛いけれど、この満たされている感覚……それに追いつくように快感の波が押し寄せてくる。

 彼のすべてが欲しい。緊張なんてクソ食らえだ。

「全部飲み込め」

 大輝が唸り声を上げ、私の尻を掴んで下に引き寄せた。彼が下から突き上げ、一番奥まで深く根を下ろす。彼の玉が私に当たる。満杯だ。狂おしいほどに満たされている。

 私は叫び声を上げ、頭を後ろに反らせた。きつく引き伸ばされた膣が彼を包み込み、脈打っている。動きに合わせてバイクが揺れ、エンジンの振動が私たちの中に直接響いてくる。

「動け」

 しゃがれた声で命じると、彼の手がペースを作り、激しく上下に動かされる。

 私はその通りにした。最初は恐る恐る跳ねるように。緊張で中が締まってしまったが、すぐに欲求が勝った。腰を回し、彼の根元にクリトリスを擦り付ける。摩擦で火花が散るように、快感が急速に高まっていく。ジャケットの隙間から解放された乳房が揺れ、そよ風の中で乳首が硬く尖っていた。

「あっ、いいっ……」

 私の喘ぎ声はさらに大きくなる。

 何もかも忘れよう。これは私のものだ。大輝の手が這い回り、片手が私の胸を揉みしだき、乳首を鋭く摘み上げた。痛みが熱へと変わり、私をさらに絶頂へと追い詰める。

「めちゃくちゃ濡れてるじゃねえか」

 彼が掠れた声で言い、私の動きに合わせるように腰を跳ね上げた。

 肌と肌がぶつかる音が響き、彼のペニスが深く打ち込まれる。

「このキツい小さな穴で俺を締め付けやがって。直哉はこんな風にお前を広げてくれねえのか?」

 その言葉は胸に刺さったが、同時に私を煽り立てた。私はさらに激しく腰を振り、彼の肩に爪を立てた。

「黙って……ただ、私を抱いて……っ」

 彼は黒い笑いを漏らし、主導権を奪い返した。私の腰を掴み、激しく叩きつけるように下ろす。暴力的なリズムで、バイクが大きく揺れる。彼の親指が私のクリトリスを見つけ、円を描くように擦り始めた。限界突破――極限まで広げられる感覚、バイクの振動、そして彼の淫らな指使い。

「俺のチンポでイケ、結衣」

 それはお願いではなく、命令だった。

 私は砕け散った。オーガズムが突き抜け、膣壁が彼を包み込んで狂ったように痙攣する。

「大輝っ! ああっ、いくっ!」

 彼は突き上げ続け、その波に乗りながら、私の絶頂をさらに引き延ばした。

 彼の指が痣になるほど強く食い込む。さらに二回深く打ち込まれると、彼は野獣のような声を上げ、私の中に熱いものをぶちまけた。ドクドクと脈打ちながら、私の中をいっぱいに満たしていく。彼が私を押し付けたままペニスをビクつかせると、温かい精液が溢れ出した。

 私たちは動きを止め、荒い息を吐いた。彼のおでこが私のおでこにくっつき、互いの吐息が混ざり合う。

 私の秘所は彼を咥え込んだまま、充血し、敏感になり、疲れ切って脈打っていた。

 正気が戻ってくる……私たち、今……? 白昼堂々、バイクの上で。けれど、私の口元にはだらしない笑みが浮かんでいた。それだけの価値はあった。

 大輝がゆっくりと引き抜くと、太ももを伝って精液が滴り落ちた。彼は優しく、ほとんど愛おしむような手つきで私のジッパーを上げてくれた。

「いい子だ。今日のレッスンは身についたか?」

 私は震える声で笑い、シートから滑り降りた。足はゼリーのようにガクガクだ。

「ええ。明日も、もっと教えてくれる?」

 彼のニヤリとした笑みがすべてを物語っていた。

「期待してろよ」

 帰りの道のりは静かで、私は彼の背中にしがみついていた。彼の温もりに安心感を覚えながらも、私の頭の中は激しく回転していた。

 大輝に目立たない場所で降ろしてもらい、私はアパートに滑り込んだ。直哉はソファに寝そべり、ゲームのコントローラーを握りしめていた。テレビからは爆発音が鳴り響いている。

「おかえり」

 彼は顔も上げずに言った。

「なんか身についたか?」

 私はドアに寄りかかった。まだ顔が火照っている。

「今日は前に座ったの。密着する練習をしたわ。本当に、それでいいの?」

 直哉は肩をすくめ、ボタンを連打した。

「ああ。お前が乗れるようになるなら何でもいいさ。仕事の方が大事だからな」

 その言葉は虚しく響いた。嫉妬も、気遣いもない。最後に残っていた罪悪感の糸がプツリと切れた。彼は私のことなど、これっぽっちも気にかけていないのだ。

 私は頷き、冷蔵庫から水を取り出した。彼の隣に座ったが、私の身体はまだ大輝の余韻で疼いていた。直哉の腕が何気なく私の肩に回される。何の熱も感じない。

 その夜、電気を消すと、彼はルーティンワークのように私の上にまたがった。手が私の股間に伸び、軽く探りを入れてくる。大輝の愛液でまだ濡れていたため、すんなりと入った。浅く、退屈なピストン。二分後、うなり声を上げて、終わり。彼は転がり落ちた。

「疲れた。おやすみ」

 私はそのまま横たわり、目を丸くして天井を見つめていた。彼のいびきが始まる。大輝の精液と彼の精液が私の中で混ざり合う、歪んだ秘密。

 でも、この虚無感は何だろう? 直哉の愛撫からは、もう何も感じられなかった。

 私の唇に、自嘲気味な笑みが浮かぶ。

 翌朝、私はライディングジャケットのジッパーを低めに下ろした。下にはブラもショーツも着けていない。レザーが素肌に触れ、摩擦で乳首がツンと尖る。

 スマホを取り出し、大輝にメッセージを送る。

『今日は高速コーナーの練習ね。きつく掴まってないと。昨日よりも、もっと密着して』

 すぐに返信が来た。

『待ってるぜ。その熱さ、忘れずに持ってこいよ』

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