第四十章

自分がどれくらいそこに立っていたのか、マッテオには思い出せなかった。遅めの昼食をとり、淹れたてのコーヒーを手に入れるために外出した。役員室が並ぶ廊下へと角を曲がろうとしたまさにその時、ある光景が彼の足を止めさせたのだ。

最初、彼女はオフィスの床にあぐらをかいて座っていた。彼のような観察者から見れば、彼女の周りに円形に散らばった書類は混沌として見え、計算高い探偵のような雰囲気さえ醸し出していた。読書用の眼鏡が鼻から滑り落ちそうになるのも構わず、彼女の指があるページから次のページへと滑るように動くのを、彼は見ていた。

しばらくして、彼女は目を閉じたままオフィスを歩き回り始めた。マッテオには、彼...

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