第七十四章

ジェネヴィーヴはSUVの後部座席に座り、目的地に着くのを今か今かと待っていた。マテオがいつも口にする謎めいたクラブを一目見ようと、彼女はシートから身を乗り出した。バックミラー越しにレオの意味ありげな笑みが映り、ジェネヴィーヴは顔を赤らめてから、また座り直した。マテオの視線は窓の外に向けられていたが、その手は無意識に彼女の手を探り当て、指を絡ませた。親指で安心させるように彼女の手の甲をなぞる。

彼は、今夜ずっと向けてくれていたのと同じ、感嘆の入り混じった表情で彼女を一瞥した。そして彼女の手を取り上げると、その甲に口づけを落とした。「緊張する必要はない」

「緊張なんてしてないわ」彼女はあまりに...

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