チャプター 100

エル視点

「私と友達に? 光栄だわ」

レイモンドは心から面白そうに目尻にしわを寄せた。「いいや、光栄に思うべきは私のほうだ」

さっきまでの警戒心とは裏腹に、私はいつの間にかリラックスしていることに気づいた。実のところ、レイモンドを敵に回しても何の意味もない。

私の戦略は単純だ。相手の機嫌を損ねず、近づきすぎないこと。そして、もし将来助けが必要になったとき――まあ、ダコタの顔があれば有利に働くかもしれない。

「わかりました」私は心からの笑みを浮かべて言った。「カーターさん」

レイモンドの表情が変わり、その顔に温かみが広がった。「まだ『カーターさん』と?」彼の青い瞳がユーモアにきらめき...

ログインして続きを読む