第149章

エル視点

「考えてもみてよ、エル。赤ちゃんが生まれたら、ブラッドの跡取りを産んだ対価として、レイン家から相当な額の補償金が入るのよ」

その点はあまり深く考えていなかった。「ブレア家にそのお金のことを話すべきだと思う?」

「ただ話すだけじゃないわ」ソフィアは緩やかなカーブを曲がりながら言った。「あなたには自分自身の経済的な保証があって、ブレア家の知的財産――錬金術の特許や伝統薬の知識、そういった貴重な一族の秘密には一切興味がないってことをはっきりさせるの。アイビーも、あなたがそれらを狙ってないって分かれば、警戒を解くかもしれないわ」

ブレア家の屋敷へと続く静かな住宅街を抜けながら、私はそ...

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