チャプター 15

エル視点

ブラッドとの会話から三日が過ぎ、唐突にその日は訪れた。刻印式の日だ。私が正式にブラッド・レインの「番(つがい)」となる日である。

私はムーンシェイド・ベイで最も壮大な教会にある、豪華な控室に一人で座っていた。普段は人狼族の儀式のためだけに使われる神聖な場所だ。がらんとした広大な部屋は、私一人ではいっそう空虚に感じられた。ブライズメイドもいなければ、ドレスの裾を直してくれる母もいない。この瞬間を分かち合う友人も、ここには誰もいなかった。

深く息を吸い込み、装飾の施された鏡に映る自分の姿を見つめる。そこには見知らぬ女がいた。髪は複雑に結い上げられ、少し動くたびにダイヤモンドのヘアピ...

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