チャプター 166

エル視点

「これは素晴らしいですね」私は目の前にある具だくさんのシチューを指して言った。「何もかもがとても新鮮な味です」

トンプソン長老は心から嬉しそうに顔を輝かせた。

アレックスが手を拭くための除菌シートを渡してくれた時、トンプソン長老の視線が不意に私の手首に注がれているのに気づいた。私たちが発つ前にステラ・ブレアがくれた、私がずっと着けているブレスレットを目にして、彼の目が見開かれる。

「そのブレスレットは……」彼は畏敬の念を帯びた声で、ゆっくりと言った。「本当にブレア家の方の手に渡っていたのですね」

私はそのシンプルでアンティーク調の宝飾品を見下ろし、戸惑った。「どういう意味で...