チャプター 168

エル視点

私はある考えを思いつき、悪戯っぽい表情でブラッドを見た。「ねえ、知ってる? 帰るまで待つ必要なんてないわ。今すぐ聞けるもの」

ブラッドが何か言う前に、私はスマホを取り出してマーティン・ブレアに電話をかけた。ブラッドにも聞こえるように、スピーカーボタンを押す。

マーティンが出ると、私は言った。「マーティン、今ムーンベール・タウンにいるの」

受話器の向こうが、一瞬沈黙した。

私はブラッドにちらりと視線を送ってから、単刀直入に切り出した。「あなたとママがくれた、このブレスレットについて聞きたいの。ここの町の長老がこれを見てすぐに分かったみたいで、何か古代の約束の印だって。それにマ...

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